Vol.38 ~ 下水道の使命と長期ビジョンについて ~  (2016.06.24 )

2020年7月13日月曜日

下水道維持管理の施策について

みなさま、お元気ですか?

梅雨どきなので止むを得ませんが、ジメジメした日が続きますね。
沖縄・奄美地方は早くも梅雨明けしたそうですね。

前回に続き、下水道における今後のビジョンについて考えてみたいと思います。



社会経済情勢の変化に対応して


近年においては地球温暖化による気候の変化や地震等の災害が非常に危惧されるようになってきました。

一方で、我が国における下水道のストック量は膨大となり、供用開始後50年を超える下水道施設の老朽化が顕著になりつつあります。このように老朽化が進行していく中、今後は、維持管理や改築といったメンテナンスの需要の高まりに適切に対応していかなければなりません。

少子高齢化が進む中、社会保障関係費の需要増に伴って、国・地方ともに財政が逼迫しており、インフラへの投資は抑制傾向が見られます。下水道を管理する側としても団塊世代の定年退職によってインフラメンテナンスを担う職員等も減少しているため、財政や管理体制の面で制約の強まりが懸念されている状況です。

下水道が果たすべき使命は、下水道事業が持続的にその機能を社会に提供していくことを最重要課題とし、その上で「安全・安心の確保」の観点をより強化するとともに、「経済成長」、「国際展開」の観点を明確化し、「下水道の有する多様な機能の社会への持続的な提供を通して、健全で恵み豊かな環境が地球規模から身近な地域にわたって保全されるとともに、いかなる時も国民一人一人の安心・安全な暮らしが守られ、活力・魅力ある地域社会の形成、持続的な経済成長が実現する社会の構築に貢献する」こととされています。

これらを実現していくための具体的な使命として、
「循環型社会の構築に貢献(Nexus)」
「強靭な社会の構築に貢献(Resilient)」
「新たな価値の創造に貢献(Innovation)」
「国際社会に貢献(Global)」
を位置づけているようです。

そして、これら4つの具体的使命が有機的に連結し、それぞれの使命を果たすための取組を統合的に展開していくことが不可欠とされています。
(※ 国土交通省「新下水道ビジョン」より一部引用いたしました)


持続的発展可能な社会の構築に貢献するために...


前述いたしました、4つの具体的使命について簡単に記述させていただきます。

(1)循環型社会の構築に貢献(Nexus)
   循環型社会とは、下水道が有する水・資源・エネルギー循環の機能を持続的
  かつ能動的に発揮していくことにより、地域・世代を超えて、水・資源・エネ
  ルギーを量的・質的に健全に循環させることです。
  大きく分類すると、「水循環」と「資源・エネルギー循環」があります。

(2)強靭な社会の構築に貢献(Resilient)
   強靭な社会とは、下水道が有する汚水の収集・処理、雨水の排除または貯留
  といった機能を平常時および地震・津波・豪雨等の大規模災害時においても強
  くしなやかに発揮し、持続的に提供することを通じて国民の健康・生命・財産
  および経済活動を保護・保全することができる社会です。

(3)新たな価値の創造に貢献(Innovation)
   新たな価値とは、下水道が有する膨大なストックや情報、質・量ともに安定
  した水・資源・エネルギー等のポテンシャルを、幅広い分野との連携を深めつ
  つ活かしていくことです。
  下水道がこのような貢献を実現していくためには、他のインフラ分野、農業、
  水産業、ICT、ロボット、金融、総合商社等、多種多様な分野との連携・協働
  を深め、イノベーションを起して新たな価値を創造していく必要があります。

(4)国際社会に貢献(Global)
   我が国は水資源が比較的豊かでありますが、世界に目を向けると、今後は、
  多くの国で水需要の急増に伴う水資源不足、水質悪化、上下水道へのアクセス
  不足といった課題が深刻化することが懸念されております。途上国を中心に、
  世界40億人が水ストレスに直面すると言われております。
  このような状況への社会貢献とともに、国内インフラ市場の縮小傾向を打破し、
  経済活性化につなげるため、2025年には約87兆円に成長すると予測されている
  国際水ビジネス市場を獲得することが求められています。
 

編集後記

これからは、下水道単独ではなく、下水道と関連したいろいろなビジネスを発展させることによって経済効果を見込める可能性が出てくるのではないでしょうか?

下水汚泥から肥料やレンガを創りだすことは行われているようです。

下水汚泥のエネルギーとしてのリサイクル
 ⇒http://www.jswa.jp/energy/

下水汚泥の緑農地利用
 ⇒http://www.jswa.jp/odei/index.html

下水汚泥の社会基盤設備への使用
 ⇒http://www.jswa.jp/data-room/odei/kibansetsubi.html

その他としては、下水熱を利用した冷暖房等研究が進められているようです。

下水、下水汚泥は私達の生活に伴って安定した量が見込まれるため、他ビジネスへの応用は無限大だと考えられます。

下水道を管理する国や自治体が「下水」や「下水汚泥」を材料として安く提供し、民間企業は、安く提供された「下水(未処理・処理済)」や「下水汚泥」を利用して二次製品を製作するようなことは既に行われているとは思いますが。

下水や下水汚泥を二次製品に加工する技術や製品としてはどのようなものがあるのか興味がありますね。



最後までお読み頂き有難うございました



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