Vol.48 ~ 下水道のクライシスマネジメント(2) ~ ( 2016.09.16)

2020年8月14日金曜日

下水道維持管理の施策について

秋雨前線と台風の影響により、うっとうしい天気が続いておりますが、皆様体調を崩されたりしていませんでしょうか。

頭痛や肩凝りなどの不調を訴える声もちらほら聞こえるようですが、できるだけ薬に頼らずに治したいものですよね。私は調子の悪いときには、即効性はないのですがハーブティーを飲むようにしています。
庭やプランターで簡単に育てられるハーブもあり、ハーブティーの効用について簡単に紹介させていただきます。

  1. ペパーミント・・・頭痛や頭をリフレッシュしたい時
  2. イチョウ・・・・・脳の神経を広げて、血管を丈夫にするそうです
  3. レモンバーム・・・抑うつ病と緊張に優れた効果があるそうです
  4. ローズマリー・・・血液循環を促進するので、特に血圧が低い人にお奨めです

前回に引き続き、下水道のクライシスマネジメントに関して下水道のBCPの現状と今後について考えたいと思います。


遅れている?下水道の耐震化

平成10年度に耐震基準の大幅な改定が行われたため(以降の施設については新しい耐震基準により設計・施工)、平成9年度以前の既存施設の耐震化が課題となります。既存施設の耐震化率は、重要な幹線等で約2割、揚水施設・消毒施設・沈殿施設で約1割という状況だそうです。

耐震診断や耐震工事が進んでいない主な理由としては、「財源不足」,「優先度(低い)」,「人材不足」が挙げられるようですが、揚水施設や消毒施設では改築工事との時期の調整や施工が困難であるため耐震工事が進んでいないようです。


遅れている?下水道BCP

国土交通省の調べによると、大規模な都市ほど下水道BCP計画策定済自治体の割合は大きくなるようですが、政令指定都市で約5割、30万人以上都市で約2割に過ぎないようです。
策定できない主な理由として挙げられるのは、「人材不足」,「時間不足」,「予算不足」および「内容が難しい」とのことですが、策定済み自治体の多くは、職員のみで6ケ月ないし1年以内に策定したとの結果となっているようです。

東日本大震災において、津波被害のあった処理場では、下水道BCPを策定していたことにより、点検や調査の着手までに要する時間を大幅に短縮できた効果も確認されているようです。

同じく国土交通省の調べによりますと、下水道BCPの策定状況については、各都道府県で取組状況に大きな差があるようです。一例を挙げると、栃木県,埼玉県,高知県,熊本県では県と市町村が一体となって、研修会や委員会を開催して下水道BCPの策定を促進しているとのことです。


下水道台帳のバックアップと復旧資機材の整備状況について


下水道台帳のバックアップは約7割の自治体で実施され、保管先としては自治体内の他施設や民間企業等とで概ね半々となっているようです。

マンホールトイレは、段差が無いなどの理由から東日本大震災でも活躍し好評であったそうですが、保有自治体は全国の2割程度と言われております。大都市ほど保有率が高く、政令指定都市や30万人以上の都市で約6割とのことです。

また、可搬式ポンプ、可搬式発電機等の復旧資機材の備蓄は、全国で半分程度の自治体で実施しているとのことです。


非常時における具体的施策は


1)下水道BCPの策定・普及

想定外から想定内の対応を可能とするため、事業主体である地方公共団体は、
簡易な下水道BCPも含めて速やか(1年以内)に策定し、2年以内には、
全事業主体で必要な項目を網羅したBCPを策定する。

2)耐震化、耐津波化

事業主体は、下水道耐震対策指針等に基づき、耐震診断、耐津波診断を速やかに
実施し、必要な機能確保を計画的、段階的に実施する。

3)豪雨対策

国は、局地的大雨に対するタイムライン式行動計画(事前防災行動計画)や事業
継続計画(BCP)等の減災のための概念を整理した上で上で、先行的な自治体
における取組みを支援する。


4)下水道全国データベースの構築・活用

国は、事業主体の協力を得て、下水道全国データベースを構築し、データのバックアップや支援活動に必要な情報提供の機能を備えるとともに、日本下水道協会と連携して、災害時の情報共有ツールとして活用する。



災害に備えて事前に点検・調査を実施しましょう

管口カメラの特徴としては、
  • カメラ部を地上からマンホール内に挿入し、調査者が地上にいながら管内を点検・調査することができます。
  • TVカメラ自走車が走行できない管路でも調査可能であるため、災害によって 被災してしまった下水道でも使用することができます。
  • 軽量で可搬性に優れており、TVカメラ調査のような管内走行の必要が無いために1日の作業量が大幅にアップします。
  • 充電式バッテリーで長時間の使用が可能です。
  • カメラは、防塵/防水構造になっております。

お奨めの管口カメラといたしまして、

管口カメラシステム パイプハンター・ファーストビュー+(プラス)




GPSロガーが搭載されており、このGPS(位置情報システム)を使用して調査箇所をデータ保存することができます。
設置に便利な固定ポール、パン・チルト機能により視方向を簡単に調整、
制御器一体型録画装置付モニタを搭載、作業場所を選ばないバッテリー電源を使用、HDカメラにより鮮明な画像を実現いたします。

ポール長1.8~4.5m (3段階伸縮 カメラヘッド・L脚装着時最大5m)
ヘッド径φ150mm×200mm
適用管径φ150mm~φ800mm (管内状況による)
画   質 Full HD画質
照   明超高輝度LED16灯
モ ニ タ制御器一体型(録画装置付)・SD / SDHCカード(最大32GB)
電   源バッテリー(連続約4時間使用)
ズーム機能360倍 (光学30倍・デジタル12倍)
質   量制御器約3.5kg   カメラ&ポール約5.5kg  バッテリー約1.9kg
特記事項パン・チルト機能(水平±10° 垂直±10°)
10m防水(カメラヘッド)


Φ150 管内映像

  

Φ400 管内映像

 




編集後記


BCP策定作業を行っていると、今まで見えなかった点も見えるようになることがあります。企業であれば生き残らせる優先事業の絞り込み、経営資源の弱点の抽出、顧客や仕入先などの協力会社との関係を再構築することが必要になります。

公共下水道においては、市町村からの汚水を受け入れるべき処理場がトラブルによって受け入れ処理できなくなってしまった場合はどうなるのか?

災害時のみならず、あらゆる不測の事態を想定してBCPを策定してはいかがでしょうか。
あってはならないですが、社内で不祥事が発生したケースも想定する必要がありますね。

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