Vol.28 ~ 技術を支える力とは ~ (2016.04.08)

2020年6月5日金曜日

管口カメラ 調査 本管カメラ

桜の花も満開となり、花見を満喫された方も多いのではないかと思われます。
昨今、国会でも問題になりました保育園問題ですが、子供の人格は幼稚園に入る前に決まってしまうということが、以前に読んだ、『幼稚園では遅すぎる-人生は三歳までにつくられる(井深 理 著)』に書かれておりました。ソニーの創業でもあった井深氏が、後年は幼時教育に取り組んだそうですが、最新の大脳生理学は、「人間の脳細胞の発達は3歳までに70~80%を終える」という衝撃的な研究結果が報告されております。

こんなことを書くと、異論が出るかも知れませんが、子供が人格形成される大切な時期でもある3~4歳までは大切な時期は、母親の愛情を持って、母親が子供を育てることが必要だと思います。

子供が成長する大切な時期に手を抜いてしまう(愛情を持って看てくれる保育園・保母さんがいれば話は別ですが)と、子供が成長してからしっぺ返しを喰らうことになるかも知れません。

赤ちゃんは母親の胎内にいるときから、母親の声を聞いているようです。

久保田競+久保田カヨ子著『赤ちゃん教育』もお奨めです。


技術とは


何気なく使われていることばの中で、「技術」に触れない日は無いのではなすかと思うぐらい氾濫していると思いませんか?
企業名に「技術」を使用している会社もあるのではないかと思われます。

Wikipediaによると、「ものごとを取り扱ったり処理したりするときの方法や手段。
および、それを行うわざ。ものごとをたくみに行うわざ。社会の各分野において、何らかの目的を達成するために用いられる手段・手法。」と定義されております。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説によると、「人類の利益のために、随意にエネルギーを創出・制御し,また自然には存在しない『もの』をつくりだす人間の営為。」とのことであり、遠い昔、木と木を擦り合わせた摩擦で火を得たのはおそらく人類最初の自然支配、いわゆる「技術」であるといわれます。


今の状況では使えないものを使えるようにすることも「技術」か


過去を振り返ると、次のようなエピソードがあります(戦争を肯定するものではなく、あくまでも技術的側面から見ていただきたいと思います)。

日本海軍の機動部隊が真珠湾を攻撃した際に使用されたのが、航空魚雷というものなのですが、97式艦上攻撃機から投下される航空魚雷は一旦水深50m以上まで潜り、海面下5~6mまで浮上すると、目標物に向かって推進する仕組みでした。当時の米英では、このような技術を持っていなかったようです。

しかし、真珠湾の水深は深い所でも12mしかなく、通常に投下された航空魚雷は海底に突き刺さってしまい使用できない状況でした。

そこで、航空魚雷の後部にベニヤ板を加工した「安定板」を取り付けることによって、深く潜らないよう、回転しないように改良が加えられたのでした。

投下する際も、高度からの投下ではなく、海面から10mの高さから投下されることによって期待される結果を得ることができました。このときの97式艦上攻撃機の搭乗員(パイロット)は、高度10mを維持して飛ぶことができる者だけが選抜されたそうです。鹿児島湾を真珠湾に見立てて、くる日もくる日も猛特訓が行われたそうです。

6隻の空母から発進した航空機の行動は数箇月以上前から綿密に計画されていたようです。
飛行隊長である淵田中佐(当時)の信号弾が攻撃の合図であり、1発のみであれば、航空魚雷による水平爆撃、2発発射されたら99式艦上爆撃機による、急降下爆撃でした。

淵田中佐が、1発目を発射したところ、制空隊である零戦が動く気配が無かったため、信号弾が見えなかった(聞こえなかった)と思い、もう一発信号弾を発射しました。間を置いて2発の信号弾が発射されたことにより、水平爆撃と急降下爆撃が同時に行われてしまいました(急降下爆撃を先に行うと、炎と煙で目標物が見えないために水平爆撃が困難となる)が、海側から内陸に向かって吹いた風により、目標物の確認ができました。

しかし、354機出撃のうち、29機、55名が未帰還だったそうです。

このような、航空魚雷と使用法の改良が行わなければ、日本の歴史のみならず、世界の歴史も変わっていたのかも知れませんね。そして多くの尊い人命を失うことも無かったことでしょう。


当初は、モノクロ・直視画像のみであったTVカメラ


昭和40年代よ急激に整備されてきた下水道も、供用開始年度が古い地域においては老朽化が顕在化が見られ、昭和63年から年間4000件以上の陥没事故が確認されており、多い年には6000件を超える深刻な問題となっていきました。

このような背景より、「管内調査用TVカメラ」の技術は著しい進化を見せるようになりました。

欧米諸国では、TVカメラを使用した管路内調査は1960年代から既に導入されてていたようであり、日本で最初に製作されたのは1973年だとのことです。

当時の管内調査カメラは、大型の懐中電灯のような筒状のものだったようであり、レンズの周囲に小さなライトが付いており、これをソリ型の台車に載せてマンホールから挿入し、ワイヤーでもう一方のマンホールから引っ張りながら管内を撮影していたようです。

撮影できる映像は、管を正面からとらえる直視のみで映像もモノクロのみ、管径によって載せる台車を交換していたようです。

国内初の下水道管路内TVカメラ調査業務は、1975年に埼玉県企業局団地開発事務所が委託した宅地開発現場に敷設した新管の浸入水調査だったそうですが、使用されたのは、当時の日米産業㈱(現:㈱カンツール)が輸入したJAKI(昭和48年10月、米国のフロー・マックス社の下水検査用JAKI・TVカメラの日本総代理店となる)のGC-220で、モノクロの直視のみの映像であったが、ジョイント部分から多量の浸入水を発見することができました。

この頃は、管口からカメラがどの距離にあるかを計測するエンコーダはあったものの、映像のみを撮影する単純なシステムだったようです。そのため、オペレー夕ーはTV画面を見ながらカメラの位置や管内の状況を自分の声でテープレコーダーに録音し、後でテープを再生しながら報告書をまとめたそうです。

1977年には、静岡県振興社谷津団地の浸入水防止工事や福井県清水町の管路調査・補修工事で止水のためにパッカー工法が採用され、以降TVカメラ調査とともに非開削の管更生工法が本格的に普及し始めることになりました。



震災によって急激に普及してきたTVカメラ調査


1980年代に入ると、東京電子工業㈱(現・東芝テリー㈱)が直視に加えて、管内面を垂直方向から見ることのできる側視が可能なTVカメラVCH-122Aを開発しました。これは、レンズの正面にミラーを取り付け、スイッチ操作によって直視と例規の切り替えができるもので、このカメラの開発で異常箇所の正確な状況判断が可能となりました。


1983年には、東京電子工業㈱が初のカラー映像で直視・側視が可能となったVC-561を開発しました。さらに、ワイヤーによる牽引式から自走式に変わっていったのもこの時期からのようです。防水型の電動モータでゴム製の車幹を駆動させて前進・後進ができ、同時にケーブルを送り出したり巻き上げたりする機械も開発されました。そして、これ以降受光素子を用いたCCDカメラが登場しました。


1995年1月に発生した阪神・淡路大震災では、被災した管路施設の応急復旧や災害査定を行うために、全国からTVカメラが被災地に集結し、昼夜を徹しての調査が大規模に行われました。これを契機にしてTVカメラによる管路内調査の有効性・確実性が全国の自治体関係者に認知されるようになり、「下水道管路の調査はTVカメラにより行う」という意識が全国に広がっていったのです。

その同じ年に、東芝テリー㈱が発表したミラーカメラは、レンズと広角鏡を用いて管の全面を側視できるもので、管内面を展開画像としてデータ処理するという新たな発想から生まれた展開画像ソフトに対応するため開発されました。

また、㈱カンツールは、画角190度という超広角レンズを使用し、管内の全方位を単体のレンズで撮影するワンビュー・カメラ・システムを2008年に発表、リアルタイムでの展開画像の作成を可能にしております。



現在の管内TVカメラ調査機器


★AS8850Dシステムは、管内調査用TVカメラとして多様化するニーズに対応するため開発されたTVカメラ調査です。
カメラケーブル長300mに対応した長距離自走式の管内調査用カメラシステムです。特に操作性・機動性に優れており、適用管径もφ150~800mmと幅広い用途で活用することがてせきます。

▼カメラヘッド組換えにより拡張性の高い、AS8850Dシステム▼


▼自走車一体型カメラヘッド、VCM561L▼




★軽量ケーブルドラム(ケーブル長300m),タッチパネル採用コントローラ,
高機能クローラと、用途に合わせたカメラヘッドの組み合わせにより、あらゆる
状況でも稼動できるTVカメラ車システムです。

軽量・コンパクトで汎用性の高いTVカメラ・システム「ロビオン」


そこで、お奨めのTVカメラシステム「ロビオン」を紹介させていただきます。
ロビオンの【特長】として、

  • クローラ、コントローラー、ケーブルドラム3つだけのコンパクトセット
  • 走行性能が高い、防水
  • オートフォーカス・120倍ズーム(光学10倍・デジタル12倍)
  • タッチパネル採用で快適な操作性
  • 操作性が良好で日中も見やすい高輝度(800×600)
  • 1台のクローラでφ150~1000mmまでの管径に対応
  • 適用管径100~2200







▼画角160°超広角レンズを持つ、ハードケープル式TVカメラ、 HS3040▼


◆小型の超広角レンズ(気中画角:約160°、水中画角:約96°)を採用してます。
◆映像のトップが常に天井方向を向いています(自動水平機能)。
◆液晶モニタを見ながら、静止画記録・調査画像の録画ができます。
◆ケーブル長は40mです。
◆耐水圧1.0MPaで水中形防水構造です。
◆超高輝度白色LED照明で、暗い管内でも十分な明るさを得ることができます。
◆SD/SDHCカードに対応しており、調査映像を記録することができます。



 



★ジョイスティック操作でカメラヘッドを回転させることにより、側視が可能。
高画質、強いLED照明、早い伝達速度です。システム総重量30.3kgと軽量でバッテリーを装備し、移動も簡単です。
直管なら管径φ100mm以上、曲管φ150mm以上に適用し、ケーブル長さ 90m、USBメモリーに画像記録が可能です。


◆ジョイスティック操作でカメラヘッドを回転させることにより側視が可能です。
 ⇒首振りカメラヘッド(パン360°,チルト135°)
◆タッチパネルコントローラ採用による操作性重視。
◆自動水平機能,距離計搭載。
◆リチウムイオンバッテリー内蔵により、最大4時間稼動。
◆発信機による位置探索も可能。
◆直管は管径φ100mm以上、曲管はφ150mm以上で使用できます。
◆ケーブル長は60m・100mです。
◆調査画像はUSBメモリに記録できます。




★伸縮式ポールの先端にズームカメラを搭載、マンホールに入ることなく地上か
ら安全に管内を点検・調査をすることができます。作業員がマンホール内に入る
ことがないので、硫化水素や酸欠の危険性から開放されます。
撮影映像は、デジタルビデオで記録でき、2次調査箇所の絞込みが効率的にできる
ので、スクリーニング調査に適しています。

管口カメラの特徴としては、
  • カメラ部を地上からマンホール内に挿入し、調査者が地上にいながら管内を点検・調査することができます。
  • TVカメラ自走車が走行できない管路でも調査可能であるため、災害によって 被災してしまった下水道でも使用することができます。
  • 軽量で可搬性に優れており、TVカメラ調査のような管内走行の必要が無いために1日の作業量が大幅にアップします。
  • 充電式バッテリーで長時間の使用が可能です。
  • カメラは、防塵/防水構造になっております。

お奨めの管口カメラといたしまして、

管口カメラシステム パイプハンター・ファーストビュー+(プラス)




GPSロガーが搭載されており、このGPS(位置情報システム)を使用して調査箇所をデータ保存することができます。
設置に便利な固定ポール、パン・チルト機能により視方向を簡単に調整、
制御器一体型録画装置付モニタを搭載、作業場所を選ばないバッテリー電源を使用、HDカメラにより鮮明な画像を実現いたします。

ポール長1.8~4.5m (3段階伸縮 カメラヘッド・L脚装着時最大5m)
ヘッド径φ150mm×200mm
適用管径φ150mm~φ800mm (管内状況による)
画   質 Full HD画質
照   明超高輝度LED16灯
モ ニ タ制御器一体型(録画装置付)・SD / SDHCカード(最大32GB)
電   源バッテリー(連続約4時間使用)
ズーム機能360倍 (光学30倍・デジタル12倍)
質   量制御器約3.5kg   カメラ&ポール約5.5kg  バッテリー約1.9kg
特記事項パン・チルト機能(水平±10° 垂直±10°)
10m防水(カメラヘッド)


Φ150 管内映像

 

Φ400 管内映像





編集後記


「技術」は、発見することはあったとしても、自然に発生することは無いと考えられます。「技術」は「人」が創りだすものであり、人は社会人となって社会に出るまでには、人格形成は終わっていると言えるのではないでしょうか。

社会に出てから、犯罪や問題を起してしまう人は、社会人になる前に育った環境や思想・教育が影響しているのではないでしょうか。

私は、身近なところでこのような人間を見ているので、子供の教育に関しては少し神経質になってしまったことがあったことを記憶しております。

「子供は愛情を持って育てることが必要」とは言われますが、「愛情」とは言葉では表現できないものであり、定義づけすることはできませんよね。
「技術者」を育てることも世の中にとって必要なことですが、「技術者」になるべき人間を育てることはもっと必要なことなのかも知れませんね。







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