Vol.34 ~ 下水道のストックマネジメントとは?〔その2〕 ~  (2016.05.27)

2020年6月29日月曜日

下水道維持管理の施策について

みなさん、こんにちは。

この時期、ツツジやバラの花が一番キレイな時期でもありますね。神奈川県内や東京近辺にお住まいの方でしたら、鎌倉文学館(神奈川県鎌倉市)やみなとの見える丘公園などに出掛けられてはいかがでしょうか?バラの花がとてもキレイです。

よく、きれいな花にはトゲがあると言われますが・・・・・。

前回に引き続き、下水道事業のストックマネジメントについて、専門用語等の説明をしていきたいと思います。


ストックマネジメントの適用対象


下水道事業のストックマネジメント実施にあたり、対象となる下水道施設の種類としては、

◎管路

下水の発生源と排除先を結ぶものであり、水を流すための水路やパイプ。

◎ポンプ場

収集方式を問わず下水を放流するためには、放流先の水面よりも十分高い位置まで揚水する必要があり、ポンプが必要になる。

◎処理場

下水道の汚水を浄化し、河川、湖沼または海へ放流する施設であり、浄化センター、水再生センターとも呼ばれる。



ストックマネジメントの概要


①施設情報の収集・整理(現状の把握)
  ↓
②リスク評価
  ↓
③施設管理の目標設定
  ↓
④長期的な改築事業のシナリオ設定
  ↓
⑤点検・調査計画の策定
  ↓
⑥点検・調査の実施
  ↓
⑦修繕・改築計画の策定
  ↓
⑧修繕・改築の実施
  ↓
⑨評価と見直し



下水道の基本情報や用語の定義について


下水道事業のストックマネジメントを進めるにあたり、知っておくべき基本的な情報や用語を下記に説明させていただきます(国土交通省:「下水道事業のストックマネジメント実施に関するガイドライン -2015年版-」より引用)。

◎改築

下記の通り、「更新」と「長寿命化対策」がある。
 ① 更新:既存の施設を新たに取り替えること。
 ② 長寿命化対策:既存の施設の一部を活かしながら部分的に新しくする。 

◎修繕

老朽化した施設または故障・損傷施設を対象として、当該施設の所定の耐用年数内において機能を維持させるために行われるもの。

◎維持

下水道施設の保守、点検・調査・清掃等下水道の機能を保持するための事実行為で工事を伴わないもの。


(1)保守:定期的に行う消耗品の確認、補充および交換。 異状が発見された場合に行う軽微な調整・修理・取替え。

(2)点検:管路施設にあっては、マンホール内部からの目視や、地上からマンホール内に管口TVカメラを挿入することにより、異状の有無を確認。



(3)調査:管路施設にあっては、調査員による管内潜行目視、または管渠内TVカメラを挿入する方法等により、詳細な劣化状況を定量的に確認する。


(4)診断:施設の健全度や緊急度を判定すること。なお、緊急度は管渠のみに適用し、処理場施設においては、劣化予測も含む。



◎予防保全

施設・設備の寿命を予測し、異状や故障に至る前に対策を実施する管理方法。
(1)状態監視保全:施設・設備の劣化状況や動作状況の確認を行い対策を行う。

(2)時間計画保全:施設・設備の特性に応じて予め定めた周期により対策を行う。

◎事後保全

施設・設備の異状の兆候や故障の発生後に対策を行う管理方法。

◎ライフサイクルコスト

施設・設備における新規整備、維持・修繕・改築等を含めた生涯費用の総計。

◎リスク

リスクの大きさは、「事故・故障の発生確率」と「事故・故障が発生したとき
の被害規模」の組み合せで評価する。

◎健全度

評価する対象物が有する機能、状態の健全さを示す指標であり、状態監視保全
施設の診断の際に修繕・改築等の対策手法の判断を行う。

◎緊急度

管渠に対して従来から用いられている施設の機能や状態の健全さを示す指標で
あり、対策が必要と判断された施設において、対策を実施すべき時期を定めたもの。

◎標準耐用年数

管路施設の標準耐用年数は、50年と定められている。

◎目標耐用年数

改築の実績等をもとに、施設管理者が目標として設定する耐用年数。

◎下水道管路施設の清掃

下水道管が詰まって汚水が流れない状況では、生活にも支障をきたします。 




編集後記


下水道事業のストックマネジメントに関する資料に目を通していると、至るところに「健全度」という文字が目につきます。健全度とは主に下水道施設のような建築物の指標として用いられているようです。

下水道施設に関していうならば、傷み具合を、各々客観的に把握するために使用されているようです。

「健全度」のルールはいろいろとあるようですが、現在、下水道の業界で一般的なのは、新品の「健全度」は5.0、劣化等で更新しなければ状況のものが「健全度」2.0という相対値で表現しているようです。





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