Vol.26 ~ 公共用水域を汚さないために ~ (2016.03.25)

2020年5月29日金曜日

つまり抜き 排水関連

年度末もいよいよ最終段階を迎えつつあり、既に一段落されておられる方も多いのではないかと思われます。

桜の便りもちらほらと聞かれるようになり、お花見が待ち遠しい時期になりましたね。お花見ではいろいろな人たちが集まるので、彼氏・彼女がいない人にとっては、ある意味出会いの場所でもあるかも知れませんね(私の考え方が古いかも)。

「草食系男子」ということばをよく耳にしますが、「恋愛に対して積極的で無い男性」を総称してこのように呼ぶそうです。一番最初にこの名前が出てきたのは、2006年10月『日経ビジネス』のオンライン版の中だそうですので、もう10年近く経つのですね。

男性が多く持っている男性ホルモンとして「テストステロン」があり、人によって分泌量が異なるようです。スポーツをやっている人やトレーダー、危険と隣り合わせにいる人は、テストステロンの分泌量が高いようです。
また、筋力トレーニングや短期間の激しい運動もテストステロンを増やす効果があると言われています。キレイな女性や憧れの女性と話をしたり、ワクワク・ドキドキしたりしたときもテストステロン値が高くなるそうです。

ある実験によると、ファミリーカーとポルシェ・カブリオレ(オープンカー)に被験者を運転させたところ、ポルシェ・カブリオレ運転時の方がテストステロンの分泌量が高かったそうです。また、人が多い市街地と人が少ない郊外を運転した比較では、市街地を運転した方がテストステロンの分泌が高かったそうです。

牡蠣に多く含まれている「亜鉛」を摂取することが、テストステロン値を高めるのに効果があるといわれますが、亜鉛の過剰摂取は副作用を発生させる可能性があるので注意が必要です。


「水質汚濁防止法」の重要性について


地下水汚染の未然防止のための実効ある取組制度として、水質汚濁防止法の一部を改正する法律が平成23年6月14日に成立、平成23年6月22日に公布され、平成24年6月1日に施行されました。

◆環境省HP
http://www.env.go.jp/water/chikasui/brief2012.html

目的としては、工場及び事業場から公共用水域(河川、湖沼、沿岸海域、公共溝渠、かんがい用水路、その他公共用に供される水路)に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透を規制するとともに、生活排水対策の実施を推進すること等によって、公共用水域及び地下水の水質の汚濁(水質以外の水の状態が悪化することを含む。)の防止を図り、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、並びに工場及び事業場から排出される汚水及び廃液に関して人の健康に係る被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図ることを目的とする(第1条)。

同法により、有害物質(規制対象となる有害物質は、水質汚濁防止法施行令第2条に規定されるカドミウム、鉛、トリクロロエチレン等の全28項目)による地下水の汚染を未然に防止するため、有害物質を使用・貯蔵等する施設の設置者に対し、地下浸透防止のための構造、設備及び使用の方法に関する基準の遵守、定期点検及びその結果の記録・保存を義務付ける規定等が新たに設けられました。


適切な測定・記録をとり、保存しておくことが必要です。


水質排出基準違反の他に、
  
1.測定結果の未記録
2.虚偽の記録
3.記録の未保存

に対しても罰則が課されるようです(水質汚濁防止法 第33条第3号)。

水質汚濁防止法の罰則を受けた場合、廃棄物処理法の欠格要件に該当し、廃棄物処理業、廃棄物処理施設の設置許可が取り消されます。特に廃棄物処理施設の設置許可が取り消しになると、処理会社の方はもちろん、排出事業者で工場内での自社処理を行っている場合は事業の継続上、重大な損害を被ることがありますので、注意が必要だとのことです。


企業内・工場での排水施設で注意すべきこと


特に製造工場においては、除害施設によって基準値内に浄化された排水が、公共下水道へ排出されており、基準値を超える排水が排出された場合には罰則規定が設けられています。除害施設へ到達するまでの排水管やます等の排水施設に欠陥があると、基準値内に処理される前の排水が周辺の土壌汚染の原因となったり、雨水系統へ入り込み、公共下水道へ流れ出してしまうケースも考えられます。

排水設備は、経年変化等によって劣化した建物や工場の施設・設備は、新規の物と比較すると、消費するエネルギーが増加することも多く、機能改善の費用とともに、維持管理コストが企業に大きな負担となってしまうことが考えられます。

しかし、計画的な維持管理を行うことにより、コストを必要最小限に抑えて施設・設備の延命化が図れることは、あまり知られていないかと思われます。

欠陥箇所が発見された場合は、早急な対策を行いましょう。


害虫やネズミの侵入について


その他に、レストランを含めて社員食堂の厨房および食品製造工場で危惧されることは、排水管からのゴキブリ等の害虫やネズミの侵入ではないでしょうか?

例えば、従業員の靴の裏に虫の卵がついたまま工場内に運び込まれることなどがないように、駐車場から従業員入口に至るまで、工場内の敷地は舗装されておりますでしょうか?

従業員が出勤時に履いてくる外靴と、工場内で使用する作業用の靴は、同じ場所で管理されていませんか?

外靴と近い距離に作業靴が保管されていると、工場内に虫の卵や異物が持ち込まれる可能性があるため、各々の下駄箱は適切な距離を保つことが必要です。
外靴を脱いだら外靴専用の下駄箱に保管し、その後、少し離れた作業靴用の下駄箱で作業靴に履き替えることが理想的です。

一度、害虫やネズミが侵入してしまうと、完全に駆除することが困難だと言われます。

「害虫」というと、外部から侵入するものという認識がありますが、工場内部でも発生する昆虫がいることをご存知でしょうか?

外部から侵入する昆虫と比較すると少ないのですが、突然爆発的に増えることがあるため危険度はこちらの方が高いと言えるのではないでしょうか。

内部で発生する昆虫たちも発生環境はそれぞれ異なり、下記のように大きく3つに分類することができます。

(1)排水溝や排水ます等の湿潤な箇所

チョウバエやノミバエなどが多数発生し、ショウジョウバエやクロコバエ、
  ニセケバエ、ハヤトビバエといったコバエが発生することもあります。
  これらの幼虫は、主に排水溝やピットに付着した汚泥(スカム)や食品残滓等
  の有機物を食べて成長します。それから天井裏に放置され腐敗したネズミや
  ゴキブリの死骸などからノミバエ等が発生することもあるので、夏場は特に
  注意が必要です。

(2)乾燥した箇所

代表的な昆虫としてコクヌストモドキ、コクゾウムシ、タバコシバンムシ、
  ノシメマダラメイガ、ヒラタムシ類などが該当します。
  これらは穀類や乾燥食品等を食害しますので、貯穀害虫や乾燥食品害虫と
  呼ばれます。製麺工場や製パン工場のような大量の粉を扱う工場や穀類貯蔵
  庫での発生が見られ、幼虫時代の移動分散能力やしがみつき能力、齧る能力
  に長けているためと思われ、一度発生・生息させてしまうと、防除するのは
  非常に困難だといわれます。

(3)カビ

カビや塵埃を除去せずに放っておくとチャタテムシやヒメマキムシといった
  食菌性の昆虫が発生します。
  1~2mm程度の非常に微小な昆虫なのですが、大量に発生するケースも見られ
  ようです。これらがたくさん生息していることが確認されたとしても発生源
  の特定が困難な場合が多いです。

昆虫の中には、包装容器を突き破る能力を持つものもおり、この能力が著しく強いものとして、オオコクヌスト(成虫、幼虫)、ナガシンクイ(成虫、幼虫)、コクゾウ類(成虫)、イッテンコクガ(幼虫)、シバンムシ類(幼虫)、カツオブシムシ類(ハラジロカツオブシムシ幼虫)等がいるようです。名前を聞いただけではどの様な虫かわからないと思いますので、興味のある方は調べてみるとよいですね。


排水施設の清掃方法について


以前にある所から聞いた話なのですが、排水管が詰まっていたので清掃を行ったところ、プリンのカップが詰まっていたそうです。その工場ではプリンを製造しており、従業員が現場から持ち出してトイレの個室でこっそり食べ、空になったカップをトイレに流していたそうです。あなたの工場には、このような従業員はいませんか?すぐに止めましょう。

定期的に排水施設の清掃が必要であり、清掃方法としては次の機器による清掃をおすすめいたします。

①ウォーターラム

閉塞した排水管内に水を送り込み、空気ポンプを用いて圧搾空気を管内に一気に放出し、その衝撃波により閉塞物を破壊・離脱させて除去します。その空気圧力は0.2~0.32[Mpa]程度で使用され最大空気圧力は1.0[Mpa]程度です。
洗面器やユニットバスなどワイヤーの入らない細い排水口からの清掃に最適です。

  1. 排水口が隠れるようにラバーカップかぶせます。
  2. ラバーカップと排水口の間に隙間ができていないことを確認し、力強く「押す・引く」を繰り返し行ってください。

●トラップや細い排水管でも圧縮空気で排水管の清掃・詰りを除去

(バリュー・ラム)



●高圧洗浄機等の機械が使用できない所で、衝撃波を利用した排水管清掃器

 (キネティック・ウォーターラムGKR)






(ポンタ)


吸引カップやポンプ式吸引清掃器でも詰まりが改善しなかった場合、ワイヤー式
クリーナーを使用するとよいでしょう。 排水口からワイヤーを差し込んで、ワイ
ヤーの先に詰まりの原因となっているゴミを引っ掛けて取り除きます。

詰まりの原因を見つけたにも関わらず、なかなか取れないという場合は、ワイヤ
ー式クリーナーを使用すると、比較的取れやすくなるでしょう。


②フレキシロッダー

流しやグリストラップ排水管の清掃などに用いられ、社員食堂等の厨房に設置される流しや洗浄機等からの排水管の清掃に適しており、ワイヤにドリルヘッドを取り付け管内の清掃を行う。手動と電動のものがあり、清掃管径はφ25mm~150mmです。


<ワイヤ清掃器具>
  1. 排水口付近より先の詰りの場合はワイヤ清掃器具を試してみましょう。※無理に押し込むと配管を痛める危険性があり、排水管が古い鋼管の場合は漏水の危険性もありますので、注意が必要しましょう。

↓↓こちらの製品をおすすめいたします。↓↓

ワイヤー手動式






ワイヤー電動式




③高圧洗浄機(車)

高圧洗浄機または高圧洗浄車からホースで導水しホースの先端に取り付けられたノズルから噴射する高速噴流により管内付着・堆積物等を除去する方法。噴射孔の角度により、前方噴射、後方噴射、横噴射の各タイプおよびそれらの組み合わせが採用されております。
グリストラップなどの排水管に高圧の水を送り込むことで、こびりついた汚れが洗浄できます。夏場は排水管からの悪臭、冬場は油脂の固まりにより排水管は詰まりやすくなります。

パワーのある強力な清掃機とは?



パワーのある清掃機としてとして代表的なものは、「高圧洗浄機」といえるのではないでしょうか?

高圧洗浄機は、ガソリン・エンジンを回し、水を勢いよく噴射することによって詰りを除去するものです。

小さなものでは、最高吐出水量が60L/min、最高圧力が4.9MPaです。管径φ200mmまで清掃することができます。

↓↓ ミニ・ジェットMJ-1S ↓↓




もう少し大きくなると、最高吐出水量が100L/min、こちらも最高圧力が4.9MPa
です。管径φ300mmまで清掃することができます。






↓↓ ミニ・ジェットMJ-2VP ↓↓


音が静かな防音型(防音エンジン、低騒音マフラー)の洗浄機もあり、最高吐出
水量が15~30L/min、最高圧力が7~20MPaのSEV-SSシリーズがあります。




↓↓ 防音型高圧洗浄機 SEV-SSシリーズ ↓↓





↓↓ 防音型高圧洗浄機 VKシリーズ ↓↓





究極の防音型高圧洗浄車ができました!

また、車両そのものが高圧洗浄機である、高圧洗浄車があります。
こちらは1.5t車がべースとなっており、低騒音、エコ運転で広々とした収納スペ
ースを実現いたしました。製品名は、KENJIET(ケンジェット)です。

KENJIETの洗浄機および架装車両の仕様は下記をご覧になってください。

↓↓ 防音型高圧洗浄車 KENJIET ↓↓





編集後記


公共下水道のシリーズが続いたので、今回は排水関連についての内容とさせていただきました。

原稿を書いているうちに、本来のテーマである「水質汚濁防止法」とはかけ離れた内容になってしまったことをお許し願います。

食品工場関連の業務をされている方はご存知だと思われますが、食品の中に潜む危害(生物的、化学的あるいは物理的)要因を科学的に分析し、それが除去(あるいは安全な範囲まで低減)できる工程を常時管理し記録する方法として、「HACCP」(ハセップと呼ばれることが多い)があります。HACCPは、原料から最終製品までの全ての工程において、発生し得る危害要因を特定し、それらの発生要因や防止措置を明らかにし、その危害の発生防止の上で、特に重要な工程を特定して、そのポイントを継続的に監視(モニタリング)し記録する工程管理のシステムです。

調理器具や製造機械の衛生を保つためには、洗浄と施設清掃の徹底が不可欠であり、食品工場では避けて通りれない洗浄や清掃の作業を行うときに大きな役割を担う機具・機器の選定も、HACCPの考え方に基づいて選定しなければならないと考えられます。




最後までお読み頂き有難うございました



気が付いた点、疑問点や、質問事項、デモ依頼・見積り依頼等ございましたら、 ご遠慮なく下記の問合せページもご利用いただきたく、お願いいたします。
本社 〒108-0073 東京都港区三田3丁目14-10(三田3丁目MTビル6階)
TEL 03-5427-6261 FAX 03-3452-2311
info@kantool.co.jp

北海道営業所 〒004-0031 北海道札幌市厚別区上野幌一条4丁目1-3
TEL 011-801-8881 FAX 011-896-8885
info-hokuei@kantool.co.jp

東京営業所  〒108-0073 東京都港区三田3丁目14-10(三田3丁目MTビル6階)
TEL 03-5427-6262 FAX 03-3452-2355
infotokyo@kantool.co.jp

東京営業所  〒271-0065 千葉県松戸市南花島向町315-5
(松戸オフィス)  TEL 047-308-3633 FAX 047-308-3634
infotokyo@kantool.co.jp      

名古屋営業所 〒452-0822 愛知県名古屋市西区中小田井2-486
TEL 052-504-2321 FAX 052-504-3614
info-nagoya@kantool.co.jp

大阪営業所  〒536-0007 大阪府大阪市城東区成育1-6-26
TEL 06-7711-3470 FAX 06-7711-3474
info-osaka@kantool.co.jp

九州営業所  〒812-0016 福岡県福岡市博多区博多駅南5-26-13
TEL 092-474-4768 FAX 092-474-4769